日本の古道には自然の魅力がたっぷり。昭和村の喰丸峠を整備する道普請へ!

福島県昭和村の喰丸峠は自然の宝庫! 古道を再生する道普請へ。

福島県昭和村、ここには他の地域と繋ぐため馬を引き連れて通った古い道が各所に残されています。現在は国道が通り主要な地域へのアクセスが容易になりましたが、残された古道には自然と触れ合える宝が詰まっているんです!

今回は、その中でも昭和村村内の喰丸集落と小野川集落を繋いでいる「喰丸峠」を整備するための道普請に参加して来ました!現在はトンネルが開通している喰丸峠ですが、古道側には巨大なケヤキの木があったりと自然の魅力が溢れています。
※この道普請は、2019年10月20日に行われたものです。

1.道なき道?! それぞれの装備で切り拓く古道。

まずは昭和村の小野川地区に参加者が集合! 20名以上の村出身者や村外の人が集まり、今回の作業の目的と注意点を共有します。前日は雨が降ったので、ぬかるんだ道を歩くには長靴やトレッキングシューズが正解。
福島県昭和村の観光スポット
山に入るときの装備
装備は人それぞれですが、道を切り開くためのナタ、刈り払い機、チェーンソーなど、参加者が自慢の装備で参加します。バックパックには飲み物や着替えを備えておくとベター。

我々と言えばこうした作業は初めてだったので、装備をお借りすることに。これだけの人数がいればクマは出てこないとは言え、クマ対策スプレーは安心感を与えてくれました! が、クマが出たら率先して立ち向かわなければいけないという重圧も・・・?!

福島県昭和村の喰丸峠
福島県昭和村の喰丸峠
早速峠の中に立ち入ってみると、本当にここに道があったのか? と不安になる程、想像以上に草木が生い茂っている状況に唖然。刈り払い機やナタでかき分け、道に倒れた木や枝をどかしながら道をあらわにしていきます。

2.さらに奥地へ。無心に道具を振るう面々。

福島県昭和村のトレッキングスポット
さらに奥地へ進んでいけば行くほど、道は険しくなっていきます。アップダウンのあるこの道を先人たちが歩いた事を思いながら、無心に道具を振るって道を拓いていきます。
福島県昭和村の山歩き
刈り払い機やナタを使いこなしたプロフェッショナル達の勢いには圧倒! 中腹に差し掛かった頃の休憩で声をかけても、機械の音や夢中になっている様子でなかなか作業を止める頃合いが見つからない様子です。

3.道中の崩れた馬頭観音を修復!

馬頭観音の修復
これも目的の1つ、風化によって崩れてしまった、峠にある馬頭観音がを修復に。かつてはここを通る人たちを見守ってきた馬頭観音。昭和村にはここだけでなく、古道の至る所に点在しています。

福島県昭和村の馬頭観音
山の中の歴史的建造物
今度は倒れないように、しっかりと土台にくっつけるように修復します。何十キロもあるであろう馬頭観音を、大人数名で持ち上げ、向きも調整して完了!

4.喰丸峠には見るものを圧倒する巨大なケヤキが!

馬頭観音の修復
喰丸方面に抜ける道中には、見るものを圧倒するケヤキの巨木がどっしりと腰を据えています。この一本だけでなく、道中には自然のパワーを感じずにはいられない地球のエネルギーをまとった巨木が点在しているんです!

巨木のほか、自生したキノコなどの植物が溢れていて、知っている人と歩けば新しい発見も盛り沢山! 運動がてら、ちょっと自然に詳しくなれる特典付きです。
福島県昭和村の馬頭観音
喰丸側の峠道の入り口には、案内板が建てられていて、ケヤキの森と称された一帯を説明してくれます。ここからは、迎えに来てくれた先発組の車に乗り込み、トンネルを抜けてスタート地点に戻ります。

スタート地点の小野川地区の小学校へ到着すると、嬉しいご褒美が・・・。

5.村のお母さん達手作りのあったかご飯がお出迎え。

馬頭観音の修復
一仕事終えた男達を迎えてくれたのは、村のお母さん達がせっせと準備をしてくれていたあったかいご飯! おはぎやおにぎり、おつゆなど疲れてペコペコになったお腹を満たしてくれる、地元の優しい味が待っていました!

福島県昭和村の郷土料理
村の田舎料理
ヘトヘトになるまで作業をした後のご飯の美味しさは格別! それぞれ古道に対する思いもあり、充実した道普請になりました。

古道は誰かが整備しないとなくなっていってしまうもの。でもそこには、歴史を振り返るヒントや自然の素晴らしさを伝えてくれる隠れた観光資源が埋まっています。整備された道を歩くだけでなく、実際に自分で道を切り拓きその道を改めて歩くのも、古道歩きやトレッキングの楽しみの1つかもしれません。

別の峠の道普請はこちらの記事でご紹介しています。
古道を整備して「道」をつくる、ロマン溢れる歴史街道「歩く県道・会津銀山街道」の道普請へ!

masaki umino
masaki umino
茨城県出身。大学卒業後、企業での営業経験を経て株式会社SATORUの創業メンバーとして参画。2017年に福島県昭和村へ移住後、地域活性化プロジェクト「SHARE BASE Project」で自社サービスの開発・運営・管理や各種ディレクション、webライティングを行っている。