エアコンじゃ間に合わない? 燃料別の暖房性能と、雪国などの寒冷地で役立つ暖房アイテムをご紹介!
冬に部屋を暖める暖房器具といえば、まずエアコンが思い付く方も多いのでは? しかし、寒冷地帯の冬では、エアコンのパワーでは室温を上げることが困難だったりすることも。
燃料別にみる暖房性能の違いと、寒冷地で実際に使っている暖房器具をご紹介!
目次
1.燃料別にみる暖房器具の違い
暖房器具は、地域の環境によってその性能が発揮できるかどうかが変わります。
燃料については、電気、灯油、ガスが代表的な暖房器具の燃料となりますが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか?
●電気を燃料とする暖房
まず、電気を燃料とする暖房といえば『エアコン』が挙げられますね。温度設定もできて、タイマー機能も便利。壁や天井に付けるので火を使わない上、場所も取らないのが大きなメリットですね。
そんな冷暖房両方の機能を備えているエアコンは通年通して大活躍!と言いたいところですが、実は暖房機能は冷房に比べてちょっと苦手。
寒冷地用のエアコンも販売されていますが、後にご紹介する灯油やガスに比べるとそのパワーは劣るようです。
特に雪の降る地域では、雪に囲まれると外気温よりも室内の温度が下がっていることも。そんな状況下では、なかなか本領を発揮することができないのです。また、乾燥しやすいという弱点も。
●灯油を燃料とする暖房
最も雪国や寒冷地で一般的な暖房の燃料とされているのが、ファンヒーターやストーブに使われる灯油燃料。
灯油を燃焼し熱風を送るファンヒーターは、部屋全体を暖める性能に優れていて、「電源を入れて稼働→熱風の送風→部屋が暖まる」というように、暖まるまでののプロセスが早いというのも特徴。
灯油燃料の他、ファンを回す電源も必要としますが、非常に効率の良い暖房器具です。
また、ストーブは対流型と反射型のものがありますが、いずれも灯油を燃焼した熱でじんわりと部屋を暖める性能は同じ。ストーブそのものが熱を持つため、近い場所は特に暖まりやすく、やかんなどをストーブの上に置くことで、暖房による部屋の乾燥対策ができるというのも特徴です。
手間がかかる点としては、基本的に灯油燃料は買い置きしておく必要があります。寒冷地では、大容量のホームタンクを用意するか、ポリタンクを多めに用意して燃料切れを防ぎます。ホームセンターで購入する他、自宅まで届けてくれるサービスもあります。
●ガスを燃料とする暖房
ガスファンヒーターなどに代表されるガス燃料。
リビングなどでガスファンヒーターを使うためには、室内にガスを供給するコンセントが必要になります。それ故、オール電化の住宅では使うことができません。暖房性能では灯油燃料と差はなく、優れた暖房効果を発揮します。
灯油に比べてランニングコストが高かったガス燃料ですが、ガスの販売が自由化されたことにより価格競争が始まったため、ガス燃料も見直されてきているようです。
●薪を燃料とする暖房
近年のアウトドアブームや環境性能から、人気が再燃している薪を燃料とした『薪ストーブ』は、本体が暖まりその輻射熱を利用することで、家屋全体をじんわり柔らかく暖めるというもの。
インテリアとしても注目度が高く、炎の揺らぎに魅了される人も多いでしょう。洗濯物も乾きやすく、簡単な調理もできるため、こだわりのある生活を求める方には◎。
初期費用やメンテナンスが必要な点、シーズン前に薪を調達し保存しておく場所の確保のほか、薪をくべて絶やさないようにする手間などがかかりますが、その見た目などから憧れる人も多い、作業を楽しんでできる遊び心のある暖房器具です。
実際に雪国などの寒冷地では、どのような暖房器具を利用しているのでしょうか?
2.灯油を利用した暖房器具が大活躍!
豪雪の寒冷地では、灯油燃料の暖房器具が大活躍しています。こちらは対流式ストーブ。なるべく部屋の中心に近い所に置いてあげることで、じんわりと部屋全体を暖めてくれます。
さらにストーブの良いところは、天板部分にやかんなど水を入れたものを置くことで、乾燥対策ができるところです。
3.高効率のブルーヒーターは26畳まで対応!
ブルーの炎が特徴的なこちらは、DAINICHI(ダイニチ)のブルーヒーター。木造では26畳まで、コンクリート壁であれば36畳まで対応するという高効率のファンヒーターです。
天板部分の内側にファンが仕込まれていて、ブルーヒーターを中心に四方に熱風を送るという全方位型のファンヒーター!天板は暑くならないタイプのため、近付いても火傷する危険が少ないというのも注目したいところ。(※本体中心部は高温のため注意!)
電源を入れてからの稼働も早く、20分〜30分程で暖房効果を実感。広い範囲をカバーしてくれます。
4.8畳程のスペースには小型ファンヒーターが大活躍!
寝室にあたる8畳ほどの個室には、小型ファンヒーターが大活躍しています。点火スピードの速さと効率の良さで、8畳程度の部屋ならすぐに暖まり設定温度に気温をキープしてくれます。
こういったファンヒータータイプの暖房にはタイマー機能があるため、夜寝る前に設定しておけば次の日の朝も安心です。
いずれの暖房器具も、十分な換気をすることが推奨されています。閉め切った部屋で使い続けると、体調に影響を及ぼす可能性があるので、きちんと換気しましょう!
5.番外編:古民家にある囲炉裏は暖かい?
日本の古民家に見られる囲炉裏。火にダイレクトに当たれて、焚き火のような雰囲気にも見える囲炉裏の暖房性能はどうなのでしょうか?
自然の燃料の薪ストーブと比較したいところですが、囲炉裏のある古民家は、そもそも建物としての断熱性能が低いため、暖房性能の比較はなかなかフェアにできないところがあります。
近くにいれば暖かい、鉄瓶や鍋を吊るしておくと暖かくなる、火の近くしか暖かくないなど様々な話があります。
いずれにしても、実際囲炉裏のある雪国でも囲炉裏よりも薪ストーブや灯油燃料のストーブが使われているので、現代の生活からしてみれば日常的な暖房器具としては考えにくいのかもしれません。
6.環境と生活に合った暖房器具を選ぼう!
いかがでしたでしょうか? 寒冷地ではエアコンでは暖房効果が足りなかったり、高層マンションでは灯油を運ぶのは大変だったり、そもそも薪ストーブも使えません。
このように様々な暖房器具がありますが、環境と生活に合った暖房器具を選ぶのが最も効率よく暖める方法なのではないでしょうか?寒冷地ではぜひ、電気よりも暖房効率の高い灯油や薪などの燃料を試してみましょう!