古民家の揺れが無くなった!村のベテラン大工さんによる古民家の敷居再生術を目の当たりに!
シロアリ被害によって、玄関から居間にかけて足を踏み入れると大きな揺れが出ていた箇所。自分たちの手に負えない場所はプロにお願いするという方針での古民家再生は、毎度プロの技に驚かされます。どのように修復されていったのでしょうか?そして古民家ならではの既存の材料にも注目!
目次
1.職人の朝は早い、朝一番で家屋の揺れがなくなっていた
昭和村の地域おこし協力隊 押部さんのおかげでシロアリに侵食された敷居の材料を取り外し終わった前回。今回は新しい敷居をそこに作るため、村の大工さんに作業をお願いしました!
大工さんの朝は早い。目が覚めて母屋に立ち寄ってみると、既に大工さん一人で作業が始まっています。玄関から居間への入り口は、シロアリに侵食された根太によって部屋が揺れるほどに老朽化していました。歩く度に引き戸のガラスが揺れて不安でしたが、根太を入れ替えるだけで揺れが全く無くなり、安心の作りに変わっていったのです。
この根太の上に敷いてあるちょっと厚めの板材は、「捨てない方が良い」と言われます。その理由は何だったのでしょうか?
2.今となっては使われない、古民家の材料の製材方法
畳の下に敷いてある板材「畳下板」。同じ厚みで長方形に製材されたものが一般的ですが、ここでは少し見慣れない材料が使われていました。根太の下からここの畳下板を写真で撮るとこのようになっています。
写真では少しわかりづらいかもしれませんが、実はこの畳下板は薄く製材されておらず、表面は平らですが、写真のように裏面は丸太の状態が加工されておらず、木のそのままの状態が見て取れます。
話を聞けば昔は同サイズに製材する機械などもなく、人の手で製材したためだそうです。厚みもあり強度や耐久性においては優れていますが、時代の変化とともに製材技術、材料を効率的に使うために平たく加工されていったそうです。村の方からこの板は捨てない方がいいと言われたのは、こういった古民家を形成する貴重な材料を取っておくべきだということだったんですね。
3.敷居の土台の設置、ミリ単位の精密な採寸が命
さて、いよいよ敷居の土台が設置されます。今回は松の木を製材したものを現場で柱に合う様に加工してはめ込みます。写真のように色が付いたものを塗っているのは防腐剤です。そのまま素手で触るとよくないとのことでしたので、手袋をしてから大工さんと一緒に敷居の設置場所まで持って行きました。
柱と交わる部分は大工さんの精密な採寸によってピッタリとはめ込まれます。素人がやると必ずと言っていい程ズレが出る採寸ですが、一発でピッタリフィットです。大きなカナヅチで叩き込み水平を取り設置、表面にも防腐剤を塗っていきます。
4.土台を金具で固定、防腐剤を塗るのはこの先も家を守る大切な作業
敷居の柱が入り、隣接する根太、そして両サイドの構造を支える柱としっかりと金具で固定させていきます。シロアリによってボロボロになった既存の材料と見比べると、見るからに安定感を感じます。この上に引き戸のレールを這わせる表面の敷居の材料を入れます。完成までもう少し!
5.敷居の修復完成!プロの技を目の当たりにする古民家再生
もともと入っていた既存の敷居程の幅の材料がないので、2つの材料を接着して幅のある敷居を作ります。万力を使ってしっかり密着させる。材料が整えば、いよいよ松の木の土台の上に乗せていきます。ここまでの作業、70代の大工さんが1人で行っています。。。
ここで敷居の高さが変わってしまうと、既存の建具が入らなくなったり緩くなったりしてしまうので、高さの調整は慎重な作業。とはいっても、上端の鴨居の部分も少し傾斜してしまっているということだったので、完全にとはいきません。
敷居を入れて完成!新しい木の明るい色が新鮮で気持ち良いですね。これで居間に足を踏み入れた時の揺れもなくなり、かなり安定しました!ベテランの大工さんによる手早い作業、ほとんど1人でできてしまうんだという驚き。仕上がりを見ても素人の我々には手に負えない作業だったということを実感です。
さて、敷居が整えば玄関の板を張る作業が開始できます!DIY精神で間髪入れずに取掛かっていきます!
▶古民家再生DIY!玄関の床板と敷居の改修!④〜新しい根太を設置して床を張る準備〜
6.ご支援、仲間を募集中!
SHARE BASEは、築150年以上の古民家を再生し、皆が自由に楽しめる秘密基地を提供することから始まるプロジェクトです。
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