何から始めればいい? 築150年以上の古民家をDIYでリノベーションする時に考えた事。
インターネットが普及し、youtubeなどで簡単にDIYの方法が見られるようになり、DIYの需要もあっという間に増えてきましたね。
小さなDIYから、古民家リノベーションという大きなステップに踏み出そうとしている人も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、工具を使った事もない全くの初心者が、築150年の古民家をDIYでリノベーションした時に考えたことをまとめておきたいと思います。
目次
1.古民家をDIYでリノベーションする時に考えた事。
このwebマガジンを運営している株式会社SATORUは、築150年の古民家をDIYでリノベーションした「SHARE BASE 昭和村」という古民家民泊施設も運営しています。
工具もまともに使ったことのない初心者が挑んだ古民家再生ですが、およそ1年で形にすることができました。
この記事をご覧になっている方も、おそらくこれからDIYで古民家を改装しようとワクワクしている人が多いのでは?! そんな方に少しでも参考になれば幸いです!
2.考えた事① 「どんなコンセプトにするか?」
まず考えた事は古民家自体を「どんなコンセプトにするか?」 です。
DIYであるが故に自由度は非常に高く、自分たちのアイディア次第でいかようにでもする事ができるため、このコンセプトを決める段階というのは非常に大事になりました。
コンセプトが決まると、改修を進めていく上での意思決定がスムーズに進みます。
例えば、プライベートな空間を楽しむ古民家にするのと、開放的で交流を生み出す古民家にするのとでは、コンセプトが大きく変わります。
そのため、部屋の間仕切りをそのまま流用するか解体するかや、共有スペースを作るか作らないか、そして壁や床をシックで落ち着いた印象の色にするか明るくポップな色にするか、など、迷いなく進める事ができます。
一日で決めなくても良いので、時間をかけてじっくりとコンセプトを持つ事が大切です。
3.考えた事②「どこまでやるか?」。
2つ目は「どこまでやるか?」 です。古民家のリノベーションでは、DIYでやれる範囲とプロに依頼する箇所に分かれます。改修の箇所を見極め、コンセプトに沿った改修ができるかを判断する必要があります。
例えば、間取りを変えたい時に壊しても良い箇所の解体は、場所さえ間違えなければ素人でもできる作業です。
逆に、土台がシロアリに食べられてしまい、入れ直さなければいけないものは、建物をジャッキアップして入れ替えなければいけません。素人では成せない作業になります。
やらなくてもコンセプトに沿った仕上がりになるのであれば、無理に予算をかけて手をかける必要はありませんし、古民家の特性を生かすのであれば、そのまま残しておいた方が良い箇所ももちろんあります。
そして、「残す、残さない」については、次項の「どんな業態にするか?」に関係してくる事になります。
4.考えた事③ 「どんな業態にするか?」
「どんな業態にするか?」 というのは、リノベーションを終えた後にどんな業態で運営をしていくか?という事。
個人で居住する分には好きなように内外装を変える事ができますが、もしそこでゲストハウスや民泊などの宿泊業、カフェやレストランなどの飲食業を営む場合には、施す作業も異なります。
例えばボクらの場合、宿泊業も営める施設にしたかったので、そのための許可を得る必要がありました。
用途変更について関わる建築基準法 、宿としての営業許可を得るための旅館業法 、法適合性について証明するために消防法 を確認したりと、知識的な部分での時間を多く取られる事になります。
旅館業法の営業許可を得るには、建物の内装を難燃材にしなくてはならなかったり、階段の角度を作り直さなければならなかったりと、古民家の特性を損なってしまう多くの難所があったんです。
しかしそこで施行されたのが、いわゆる民泊新法と言われる、現在の「住宅宿泊事業法」です。
この法律が施行される事により、古民家の特性を全て殺す事なく宿泊業を営む事ができるようになりました。(営業日数などの制限はありますが。)
どんな業態で運営をするかによって、改修箇所も異なってきますので、こちらも予め必要な改修などを確認しておくと良いでしょう。予算にも大きく影響してきます。
5.考えた事④ 「何からやるか?」
さて、コンセプトや業態などが決まってくれば、いよいよ実作業に入ります。ここでは「何からやるか?」 という事が重要になります。
多くの場合が解体など壊すところからスタートしますが、実は購入したり譲り受けた物件には荷物が残っている場合があります。
その場合には、その荷物を処分する事から始まります。ゴミの分別や粗大ゴミの収集など、自治体に確認したり業者を手配したりと、これまた大変な作業です。
知らないままスタートすると、こんなはずでは・・・と思っていた意外な作業がありますので、物件内に残されたものはしっかり確認し、処分方法など確認しておきましょう。
それ以外はほとんど、まず何かを「つくる」前には「壊す」ことから始まります。
6.考えた事⑤ 「いつまでやるか?」
そして必ず考えておかなければならないのは、「いつまでやるか?」という事。おそらく古民家のリノベーションに、ましてやDIYもするなら、終わりはないでしょう。
だからこそ「いつまで」「どこまで」やるかをしっかりと決め、開業するのであればローンチする日を決めておく必要があります。そうでなければ、いつまでもズルズルと作業してしまいます。
サービスを開始する場合、一番大切なのはスピードです。ボクらの場合、営業の申請などを済ました直後にローンチし宿泊客を受け入れました。それだけでなく、開業前に宿泊客の予約を頂いていました。
その代わり、営業開始後もお客さんがいない日などを見はからってはDIYで部屋を作ったり、やり残した箇所を手直ししたりしてきました。それは開業して2年以上経った今でも行なっています。
そのほかにも知っている所では、敢えて改修箇所を残しておき、宿泊客に体験させるなど、体験型のコンテンツとしてDIY作業を用意したりしている宿もあります。
完璧に仕上げずとも、いつまでという期間を決めて、最低限そこまでに終わらせておかなければならない作業を優先して進める事が大切と言えるでしょう。
6.難しいことはあっても、楽しんで古民家DIYリノベーションを!
インターネットが普及し、初心者でもチャレンジできるDIYが流行してきたからこそ、多種多様な古民家の活用法も増えてきたのではないでしょうか?
改修中の古民家は、ワクワクする自分たちの秘密基地を作っているような感覚ですよね。いろいろと考えておく事はありますが、何よりも「楽しんでやる事」が大切!
ボクらが歩んできた古民家DIYリノベーションも、ぜひ参考にご覧頂ければ幸いです。