古民家に念願の業務用エアコンを導入! 涼しいとされる古民家でも熱中症対策を!
築150年を超える古民家を改装した宿泊施設「SHARE BASE 昭和村」。田舎の山奥だから、夕方を過ぎれば少しずつ涼しくはなるものの、日中はうだる程の暑さ。風通しの良い伝統的な古民家ではあるものの、最近の気象から考えてみれば夏場の暑さを和らげるエアコンの設置は必須と言っても良いのではないでしょうか!?
今回は、古民家施設SHARE BASE 昭和村に念願の業務用エアコンを設置した時に、検討したことを3つピックアップしてご紹介!
目次
1.古民家に業務用エアコンは設置できる?
業務用エアコンといえば、オフィスや大型施設についているこんなエアコンを想像しますよね。実は他にも業務用エアコンの種類は多くあるのですが、広く4方向に涼しい風を送るには、この「天カセ4方向」と呼ばれるタイプが推奨されます。でも、こうした業務用エアコンは、ビルや新築の建物に設置されているイメージ。果たして伝統的な日本家屋の古民家には設置できるのでしょうか?
結論からすると、設置できます。本体の設置ができるのはもちろん、排水や室外機へのルートなど、いくつかの条件をクリアすれば、古民家でも業務用エアコンを設置することができるんです! もちろん、設置等は専門の業者さんが行いますが、今回は業者さんともよく話し合って決めた、検討事項を3つピックアップしました。これから古民家に業務用エアコンをつけたい、という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
今回設置するのはこの24畳の大広間。過ごす時間が多く、古民家の中心とも言えるこの場所に1機設置していきます。もちろん、この建物全体を冷やすには何機も必要になりますが、主要な場所を冷やすため、1機の導入です。
2.検討①どこに、どんなエアコンをつければいいのか?
エアコンについて全くド素人であるボクらにまず訪れた疑問は、「どんなスペックの機器を、どこにつけるのが一番効率が良いのか?」というところでした。専門の業者さんとしっかり相談して、機器のスペックと場所についてはしっかりと相談するのがオススメです。障害物や建物の構造などから、適切な機器をセレクトしてくれて、設置位置まで推奨の場所を教えてくれました。
正直、カタログを見ても、ネットで探しても「よく分からない」というのが本音ですよね。もちろん設置だってDIYでできるようなレベルではないので、しっかりと相談するのが大事。よく相談し、点検口を開けて天井内を覗いたりした結果、天井埋め込みすることも可能とのこと! 「三菱 PLZ-ERMP80SH4」という機器を大広間から少し居間に近づけた場所に設置することに。人がよくいる場所、冷やしたい場所にマトを絞り、希望の設置位置を決めていきました。
3.検討②室外機の置き場所はどうするか?
もちろんですが、エアコンは本体だけでは稼働しません。対になってくるのが室外機です。また、室外機同様、本体と接続する必要があるのが排水ドレン。これらは同じルートを辿るのが一般的ですが、古民家やリフォームで設置する場合には、排水ドレンの傾斜角度が取れるかどうかや希望の室外機の置き場所によって、別々の道を辿ることもあります。
今回はまさにそのケースで、「室外機はここに置きたい」「でも排水の経路が取れない」となった時、別のルートを取りそれぞれが効率的に自分の仕事をできるようにする、ということが必要になり、それぞれベストな位置を推薦して頂きました。また、ここは豪雪地帯。床に置いて室外機を設置すると、雪に埋もれ破損する恐れがあるため、高さを出す必要があります。通常の家庭用エアコンであれば、壁面に設置することもできるのですが、業務用エアコンは室外機も段違いの大きい! 架台を設け、そこに乗せることで雪害を回避します。
4.検討③意外な盲点、リモコンの位置はどうするか?
意外な盲点だったのが、リモコンの位置。業務用エアコンは家庭用のような赤外線リモコンがあるのではなく、有線の据え置きリモコン。どこから操作するか、が決め手になります。
相談の結果、宿泊者など誰でもわかりやすく、目につきやすい場所に設置することに。玄関からも近く、エアコンが設置された部屋の大黒柱に設置しました。
また、この時も課題となったのが「どこから通線するか?」です。新築の場合は隠蔽配線することが容易ですが、古民家などの場合は電気系統が露出配線になってしまうことがしばしば。今回は隠蔽配線できる場所はあったものの、使いやすさなどを重視した場所に設置することになりました!露出配線も、まぁ味があって良いものです。
5.業務用エアコンで快適! 涼しいとされる古民家でも熱中症対策を!
工事は約2日間で終わり、動作チェック、しっかり冷えるか?を検証して工事は終了。専門の業者さんによる適切なアドバイスによって、美しく効率的な取り付けができました!
【Before】
【After】
また、天井に馴染むように別途発注していただいたのが「ブラックパネル」。意匠的にも古民家の雰囲気に馴染み、天井埋め込みという自然な設置方法によって、快適な空間を生み出すことができました!
涼しいと言われる古民家でも、最近の暑さにはなかなか対処しきれないことも。しっかりエアコンを導入して、熱中症対策をしていくのが今後も必須になりますね。