ホタルの生息地!福島県昭和村に無数のホタルの光をもう一度!

ホタルを増やす方法は?ホタルが舞う幻想的な風景を取り戻す!「まずは、出来ることから始めよう。」

ホタルは綺麗な小川にしか生息しないデリケートな生き物としてよく知られています。今ではその数も減ってしまった福島県昭和村のホタルですが、数え切れないほどの数のホタルの光を取り戻すため、村の有志たちが立ち上がっています。

1.いつの間にか減ってしまったホタルの光

夏の夜になると幻想的に浮かび上がるホタルの光。ホタルが多く生息するには、家庭排水などが混ざらず、小川の水質が良いことや、小川の地形が多様な形態であること、餌が豊富であることなどが挙げられます。

昔に比べてホタルが少なくなってきたことには、生活排水による水質の汚染や、強い農薬、コンクリートで小川が人工水路に舗装された事などによる弊害が挙げられています。
福島県昭和村のホタル
福島県昭和村のホタル
昔ながらの日本の風景、自然が残る福島県昭和村にも、かつては多くのホタルが生息し、繁殖期にはまとまったホタルの光がボワっと浮かび上がる程だったそうです。今では、天気や湿度などの条件が揃えば数匹のホタルを観測できますが、その姿は上の写真のように数えるほど。昔から村に住む人によればその数は圧倒的に減ってしまったという声を耳にします。

現在村では、そんな日本ならではのホタルの飛び交う美しい景色を取り戻そうと、有志たちによる取り組みが始まって来ています。

2.福島県昭和村にホタルの光を取り戻す取り組み

ホタル 生息条件
福島県昭和村では、山の清らかな水からなる小川が流れ、他地域に比べてホタルが生息する条件に近い自然が残っています。まずはホタルに対する知識を深め、その生息条件に近づけるにはどうしていくべきかという事から始めていきます。

ホタル 生息地
ホタルは同じ発光条件を持つもの同士でなければお互いにうまくコミュニケーションが取れないようです。

特に西日本と東日本では発光の仕方に大きな違いもあり、人為的に他の地域からホタルを連れて来て放しても、継続的に繁殖することは難しいのです。。。

では、どのようにするのがホタルの生息数を増やす方法と呼べるのでしょうか?

3.ホタルの生息条件は?欠かせないカワニナの生息

ゲンジホタルの基本的な生息条件は、
・水質が安定している。
・溶存酸素量が豊富である。
・農薬・家庭排水が混入しない。
・瀬や淵のある多様な形態の河川である。
・水系全体が長期間安定している。
・カワニナが豊富に生息している。
・カワニナの餌が豊富である。

などが挙げられています。
幼虫時代を川の中で過ごすホタルにとって、水質が汚染されていないことがまず条件に挙げられます。そしてその条件には、ホタルの幼虫が食料とする貝「カワニナ」が生息する条件とも重なるのです。

画像引用:NAVERまとめ
ホタルの食料のカワニナ
ホタルは成虫になれば、広い飛翔空間と人工照明が少ないこと、休息場所があることは成虫の生息条件です。福島県昭和村ではほぼそれはクリアしていると言っても良いでしょう!となれば、成虫になるための豊富なエサをまずは与えてあげる必要があります。

今回は、そんなホタルの幼虫のエサとなる「カワニナ」の放流という貴重な機会に立ち会わせて頂くことが出来ました!

4.ホタルが飛び交う幻想的な景色を昭和村に

ホタルの食料のカワニナ
ホタルの食料のカワニナ
日本の各地でも、見られる数が減って来てしまったホタル。人工的な物が増えて来たことから、生息できる条件が少なくなって来ています。そんな今だからこそ、ホタルが生息できる環境は貴重な場所になっています。

「ホタルの生息地としての可能性を探るため、まずは出来ることから始めよう」

そうして失われた景色を取り戻すため立ち上がり、村に活力を与えようとする。そんな有志の方々のこれからの動きから、目を離すことが出来ません。

masaki umino
masaki umino
茨城県出身。大学卒業後、企業での営業経験を経て株式会社SATORUの創業メンバーとして参画。2017年に福島県昭和村へ移住後、地域活性化プロジェクト「SHARE BASE Project」で自社サービスの開発・運営・管理や各種ディレクション、webライティングを行っている。