古道を整備して地域の活性化へ! 会津銀山街道の道普請。
会津銀山街道は、江戸時代には巡見使が通った峠を連ねる歴史街道! 歩く県道と呼ばれるこの道を整備、利活用し、地域の活性化に繋げようという取り組みが行われています。
そんな歴史あふれる古道を、現代人の手によって再生させる、そんなロマンあふれる道づくりがこの「会津銀山街道」の道普請!! 今回は、昭和村と三島町をつなぐ「美女峠」工区の道づくりに行ってきました。
1.「歩く県道・会津銀山街道」とは?
画像引用:銀山街道を活用して地域を元気にする会
銀山街道は、会津若松市大町札の辻を起点に、南会津郡只見町小林まで約72kmあり、軽井沢銀山が栄えていた頃は銀を運搬する人の往来で賑わっていた歴史街道です。
県道ではあるものの、車の通行はできない古道(歩く県道)です。近年では今回の道普請(写真:上)
のように、地元の人たちの手によって補修され、ロングトレイルやウォーキングなどのイベントも行われる利活用に注目の集まる道なんです。
さて、初めての美女峠の道普請の参加、どんな作業が待っているのでしょうか?
2. 昭和村側に集合して点呼。現場へ出発!
▶︎AM8:30 昭和村野尻区コミュニティーセンターに集合。
今回の工区は、美女峠の頂上付近。昭和村側に集まり、総勢16人の参加者に今回の作業場所と作業内容が伝えられます。そのあとは、車に乗り合いで現場の近くまで向かいます。
途中から車を置き、ここからは約1時間ほど歩いて現場まで向かいます。今回の作業は16時頃までを予定しているので、ここでお昼ご飯と飲み物が配布され、しっかりとみんなで準備運動をしてからウォーキング開始!!
作業とは別に、このウォーキングの間に峠の成り立ちや植物、景観のポイントなどを聞きながら現場に向かうのが楽しく印象的です。山のことを知れば、歩き方も目線も変わってきます。
▶︎体力勝負! 作業に使う資材と道具を確保!
現場までの道も半分ほどまで来た所で、先回りして車で運んでいた今回の作業に使う資材や道具を確保! 丸太や鍬、スコップにチェーンソーなど、担いで古道を歩くサマはなんだか絵になります。。。
普段歩いていない上に長靴でのウォーキングはなかなか堪えましたが、作業はまだまだこれからです!
3. 美女峠の道づくりのBefore→After
▶︎AM 10:30頃 作業現場に到着!! 役割分担を決めて作業スタート!
今回の作業では、この路肩がなくなり、平場が失われている箇所30m程の道を、切土によって水平な路面を形成していく作業です。
作業の指導は、田賀意匠事務所の田賀陽介さんにアドバイザーとなって頂き、作業工程や作業の意味、ポイントを説明して頂きながら取り掛かります! 各地の山や古道に精通した田賀さん、作業中にも豊かな知識で山の見方を教えてくれるので飽きません!
道幅を広げ水平な道をつくるために、斜面の土を切り出していきます。おおよその道の幅に90cmピッチ程で杭を打ち、杭と杭の間には木の枝などを寝かせて土の流出を防ぐ工法です。
木の根や岩があったりと、想像以上に力とテクニックを要しますが、これだけの人数がいればどんどんと進んでいく作業の様子はクセになりそうです。杭を打つために思い切り振り下ろす木槌や、土を掘るための鍬、慣れない作業ですが、女性も進んで作業しているので負けられません。。。
そして昼食は、山の中で食べるおにぎりとおかず。体を使った後の自然の中で食べるご飯はその美味しさもひとしおです!!
そして最大の難関は、張り出した岩壁の掘削作業! ツルハシで少しずつ山を切り崩していく地道な作業。こうして斜面を削りしっかりと入り隅をつくることで、歩行者も安心して歩けるようになるそうです。交代で男女問わず皆んなで岩を切り崩していきます!
▶︎美女峠の道づくりBefore→After
昼食を挟んで午後の作業も15時頃、作業は終了となります。水平な路面や路肩のない歩きづらい道は、どのように変わったのでしょうか?!
●Before
●After
総勢16人で取り掛かった美女峠の道普請。これだけ様子が変わればその達成感は計り知れないものがあります。この工区は、冬を超えて土砂が堆積した後に仕上げの工程に入ります。
帰り道も自然を散策しながらの下山。使った道具を持ち帰りながら達成感を噛み締めます。
4.滅多に参加できない古道の再生!来年には体験プログラム化も?!
江戸時代に栄えたこの古道。先人たちが踏みしめた道を今、有志によって整備され地域の活性化として新たな役割を担おうとしています。滅多に巡り会えないこの機会は、来年以降体験プログラム化されるという話も?!
できた道を歩くだけでなく、一緒に道を切り拓き整備する壮大なDIY。そんなロマンあふれる道「歩く県道・会津銀山街道」が奥会津にあります。