「そんな大人にはなりたくない。」反骨精神から始まったSHARE BASE Project。
私たち株式会社SATORUが地域活性化プロジェクト「SHARE BASE Project」をスタートして、早いもので5周年と言う節目を迎えました! 先日、5周年ということでメディアの方々にこれまでの経緯を説明をする機会がありましたので、せっかくなのでその内容を3回に分けてこのSHARE BASE Magazineに連載していきたいと思います!
株式会社SATORUの成り立ちからサイトリニューアルの狙い、そしてこれからの展望までお話しさせて頂きましたので、ぜひご覧頂けますと幸いです!
目次
1.デジタルマーケティング企業が、田舎の山村に移住したのはなぜ?
記者S:今回はSHARE BASE Project が5周年を迎えたということで、運営されているwebサイトをリニューアルしたり、新たにメンバーシップの募集を開始したことなどについて詳しく教えて頂きたいと思うのですが、まずは株式会社SATORUについて改めて教えていただけますか?
橋本:そうですね、5周年を迎えてのさまざまなリニューアルや新しい取り組みについてのお話をする前に、まずは株式会社SATORUは一体何者なのか?と言うことをお話しさせていただきますね。
まず、元々僕が20代の頃、都内でデジタルマーケティングの会社に勤めていたというのもあって、僕たちの会社はデジタルマーケティングを主軸とする会社なんですね。”デジタルマーケティング”という言葉がなかなか聞き慣れない方のためにお話をすると。
デジタル化の時代が進んでいく中で企業さんの中には「デジタル・・・はて?」という企業さんもいらっしゃいます。
そういう方々へのコンサルティングだったり、人材育成、あとは今までデジタルで販売してこなかった商品をデジタルで販売していく戦略を考えたり、デジタルで販売できる商品をそもそも作っていなかったという企業のために、そもそも「どんな商品をつくっていけばいいんだっけ?」「どんなものが必要なんだっけ?」「どんな目標を作っていかなきゃいけないんだっけ?」と言ったデジタル領域を全面的に支援するということが一つ。
もう一つが、デジタルプロモーション。Facebook、Twitter、Instagram、Youtubeなどさまざまな媒体があるんですけども、そう言った媒体を使ってプロモーションの企画をして運用させて頂くということもやってます。福島県内では珍しいんじゃないかな?Twitter広告の認定代理店やTikTok広告の正規代理店もさせて頂いています。あとわかりやすい所では、ホームページの制作も承っています。
会社的には現在6周年に当たります。ただ、登記してから1年間はSATORUとしての動きはお休みしていたので、今回の5周年記念というのは誘ったメンバーがそれぞれ勤めていた会社を退職して、いざ3人で昭和村に移住してSHARE BASE Projectをスタートしてから、5年が経ったという形です。
記者S:インターネットを活用した事業は場所を問わないお仕事ということで昭和村に移住されたということですが、当時はあまりリモートワークなどがメジャーではなかったと思います。
橋本:はい、当時30代になったばかりの若者3人が、人口1200人程度の昭和村に移住するということで周りもビックリして。そのご縁でさまざまなメディアに取り上げて頂いたことがありました。 ということで、僕たちの会社の主軸はデジタルマーケティングなんです。
記者S:当初は3人で移住したと言うことですが、現在はメンバーが4人いらっしゃいます。
橋本:最初のメンバーは、僕と網谷、海野の同世代3人が移住してスタートしたのが始まりでした。僕は元々福島県の磐梯町出身だったのでIターンのような形で福島に戻ったんですが、網谷は千葉県の銚子市、海野は茨城県の水戸市が出身で、他のメンバーは福島県昭和村には縁もゆかりもないような形で移住したんです。
少し間を置いて伊達市出身の鈴木 遼が参画するんですが、僕らがSHARE BASE Projectの中で運営している古民家施設「SHARE BASE 昭和村」にお客さんとして訪れてくれたのが最初の出会いでした。そうして夢を語らう中で、「一緒に仕事がしたい!」と強く思うようになって。それで他のメンバーに相談してから正式にメンバーにお誘いして、現在の4人になりました。
本社所在地は僕の出身の磐梯町なんですが、みんな住民票は昭和村にあり拠点としているので、昭和村は営業所として存在している感じです。
2.「そんな大人にはなりたくない。」反骨精神から始まったSHARE BASE Project。
記者S:SHARE BASE Projectが5周年を迎えたということですが、何をやろうとしているのか、なぜそれをやろうと思ったのか?初めてこのプロジェクト名を聞く人には、なかなか伝わりにくい部分もあると思います。
橋本:実は都内にいた時、自分のやりたいことや将来の構想を周りの大人に話すと、「いやいや甘いぞ」「そんなことできないんじゃないの?」と固定概念ガチガチの考え方を押し付けられたことが多々あったんですよね。夢見る子供が大人に夢を語ったら「なかなか難しいぞ」「社会勉強してからじゃないと難しい」という固定概念で、その夢にストップをかけられてしまう。そんなことってありますよね。
僕らはそういった大人にはなりたくないと言う反骨精神から「当たり前や固定概念に縛られない自由な発想や方法で地域を盛り上げていくプロジェクト」を、我々の会社としてはやっていこう!と言うコンセプトで始めたプロジェクトなんです。
僕らって小さい頃に秘密基地をよく作ってた世代で。山に遊びに行っては「秘密基地作ろうぜー!」って仲間を集めて、秘密基地にいろいろ本や雑誌、音楽とかを持っていってワイワイ話して夢を語る・・・みたいな、男の子ってそんな社会があったんですね。
それを大人でもやっていかなきゃいかんなって。夢を語れる、夢を笑わないプロジェクトにしていかなきゃいけないなーってことで、敢えて「秘密基地」っていうコンセプトにしたんです。基地(=BASE)があって、集まった仲間の考え方を共有(=SHARE)していくことからSHARE BASE というプロジェクト名になったんです。
3.できない理由を語るよりも、やる理由を考える。
記者S:5周年を迎えるまでに、さまざまなサービスを展開していますよね。「固定概念に縛られない自由な発想や方法で地域を盛り上げる」とのことですが、どんなプロセスでその発想や方法が形になっていくのでしょう?
橋本:プロジェクトの進め方としては、僕らが楽しいと思うこと、ワクワクすること、元気になれるようなことっていうのを、僕らがまずはトライしてみる。そしてその中で「やってみて良かったこと」を具体的な形にしていくというプロセスを踏むんですが、あくまで僕らは「SATORU(悟る)」です。良いことも悪いことも、時期やタイミングで人によって捉え方が違うと思います。理解できる時が来たら、僕らがプロジェクトを通してやって来たことを見て悟ってね。という大枠のストーリー展開を考えてます。
昔大人に言われて来たような、できるできないって言うことよりも、やっぱり「やってみる」って言うことを大事にしたいなって思うし、「できない理由を語るよりも、やる理由」っていうのを考えながらやっていきたいなと思ってます。
記者S:リニューアルされたSHARE BASE Projectのホームページを見てみると、「観光」「産業」「福祉」という3つのキーワードがありました。
橋本:プロジェクトを対外的に見せていく軸としては、「観光」「産業」「福祉」それぞれの3つの柱で活性化する取り組みに挑戦していきたいなと考えています。
「観光」に関してはPR的な動きもそうですし、「産業」については新たな事業、ビジネスの構築という所で、人が事業をつくれるような世界観にしていく、「福祉」については、若い世代が地域に活力を与えることが、子供からお年寄りまでみんなの元気や幸せに繋げられると考えているので、この活動自体が福祉的な意味を持ち得ると考えていたりします。
4.「自分たちが移住すること自体がおもしろい」そうして始まったSHARE BASE Magazine。
記者S:SHARE BASE Projectでは、古民家施設の「SHARE BASE 昭和村」、webマガジンの「SHARE BASE Magazine」、webマッチングサイトの「SHARE BASE Matching」と、この5年間で3つのサービスをスタートさせていますよね。それぞれのサービスが生まれた経緯はどのようなものだったのでしょう?
橋本:移住してまず何をしていこうかってなった時に、当時自分たちが移住すること自体がおもしろいことなんじゃないか!? と思い、ただ移住しただけでそれを表現しないっていうのはすごくもったいないよね!? ということで始めたのが「SHARE BASE Magazine」だったんです。
30歳を目前にした男3人が、右も左もわからない超田舎に移住して生活するライフスタイルとか、移住してからのいろいろな出来事を、自分たちが情報発信していこうよ! っていうコンセプトで始まりました。もちろんそこには、「移住」というキーワードで世間にも注目してもらえるんじゃないかという狙いもありました。
SHARE BASE Magazineでは、僕らの活動とか好きな遊び、場所、アイテム、オススメしたいコト・モノをピックアップしたりとかはもちろんなんですが、プロジェクトに関しての諸々の情報発信も行なってます。
「EPISODE OF SHOWA vlg(village)」というコーナーでは、移住の準備期から移住してすぐ、その後の暮らしや遊びなどを事細かにアーカイブしているので最初から読むと膨大な記事数ですが、読んでもらえると「移住者ってこういう視点なんだ!」とか「こういうことに若者は興味を持っているのか!」、などをなんとなく感じてもらえれば良いなとも思っています。
記者S:自分たちのライフスタイルや地域の情報を発信していったとのことですが、どんな人たちがSHARE BASE Magazineには訪れているのでしょう?
橋本:続けていると、意外にも30代〜50代の男性からの支持が多いことがわかって来たんです。田舎暮らしへの憧れでしょうか、そんなでデータが見て取れました。そして、昭和村自体にも注目が集まったことで地域内外からも認識されるようになって来たんですね。
5.秘密基地のオフラインの拠点として民泊施設に仕上げた「SHARE BASE 昭和村」。
記者S:「SHARE BASE 昭和村」という古民家の施設ですが、なぜ昭和村だったのか?なぜこの古民家だったのでしょうか?
橋本:なぜ僕らが昭和村を選んだかという理由の一つに、元々僕の祖母の家が20年以上空き家になっていたということがあります。せっかく築150年以上という歴史のある古民家だったので、僕らがここに入ってこの施設をどう使っていくか?を考えようよ! ということで昭和村に移住したんですね。
古民家再生をプロジェクトの一つとして掲げていたものの、結果的にどう活用していくかっていうのは僕らも当時探り探りで。なので、SHARE BASE Magazineにもそんな様子が綴ってあると思います。Magazineを読んで頂くとわかりますが夜逃げしたみたいに家財道具が全部残っててw そういったものも整理しながらどうしていくかーっていうのを練っていった感じです。
移住後に地元の人たちと対話していく中で、ここは人が集まれるオフラインの拠点にしていったらいんじゃないかということで、いわゆる”秘密基地のオフラインの拠点”として民泊施設に仕上げたのが「SHARE BASE 昭和村」です。
結構大きな古民家だったので、どういう業態で宿泊できるようにするかっていうのは悩んでたんですけど、ちょうどよく「民泊新法(住宅宿泊事業法)」が施行されて「もうこれは民泊新法だ!」ということで民泊の許可を取りました。確か福島県でも事例が少なくて、2番手くらいに許可を受けたことで、改めてメディアにも取り上げられるようになりましたね。
記者S:その時の報道は覚えています。若者によるDIYでの民泊施設ということで話題になりました。過疎地域ということで、お客さんがどれぐらい訪れるかなど不安もあったと思います。
橋本:どれくらいお客さんが来るかという不安よりも、別なところでの不安要素が出てきたんです。いろんな地域から昭和村に訪れてくれるようにはなったんですが、昭和村の地域内をあまり回遊してくれないという課題が浮上して来ました。泊まってのんびりしてくれるのは良いけど、昭和村を知ることとか昭和村の人を知ることにはなかなか繋がらないなーと。。。
一番衝撃を受けたのは、都内の企業さんが合宿のような形で来てくれたんですけど、出発地とSHARE BASE 昭和村の往復だけで終わってしまっていて。なかなか昭和村にお金を落としてくれたりとか、拠点として人と交流をしてくれたりっていうのがなかったなーっていうのが頭に引っかかっていて。これでは地域を盛り上げることには繋がらないと思ったんです。
そこで、僕らが移住をしてから楽しませてくれた住民の方々の特技を、体験プログラム化して販売してみたんですよ。例えば「冬のまたぎ体験プログラム」とか。そうした体験プログラムががめちゃくちゃ良くって。泊まる場所はうちなんですけど、参加した人はそのプログラムの前後で地元の人たちとお酒を飲んだり一日中遊んだりする機会もあって、帰り際にガイドしてくれた人の家を訪れて、離れるのが寂しいと泣いていたりするんです!
僕らは客観的に見ていて「まさにこれぞ地域のあるべき姿だ」と思ったし、過疎が進んでいる地域に必要なことなんじゃないかって思って、この形を横展開していこう! と思ったんです。
そう考えた時に、僕らのような民泊施設やそのほかゲストハウス、地域おこし協力隊の方をはじめ個人的にもそういうことをしたいな! と思う人たちって他にもたくさんいたと思うんですけど、できなかった。なぜできないんだろう?って思った時に、そういう仕組みを形にする全国展開のサービスがないんじゃないか!? ということで始めたのが「SHARE BASE Matching」というサービスなんです。
6.新型コロナ大流行で迎えた「SHARE BASE Matching」の大きな転換。
記者S:SHARE BASE Matchingは、SHARE BASE 昭和村での経験や感じた課題を解決し、全国的に誰でも同じことができるようにと作られたサービスということですね。体験を予約するというサイトは他にもあると思いますが、どのような特徴があるのでしょうか?
橋本:「SHARE BASE Matching」の最大の特徴は、「主催者とマッチングする」というところなんです。例えば福島県内でわかりやすいものを例にすると、「「憧れの写真家『星賢孝』と巡る奥会津写真ツアー」。「福島県金山町観光物産協会」が主催者となって、県内外で有名な写真家「星賢孝」さんをガイドに迎えた写真撮影ツアーなんですが、これは主催者がガイドに声をかけて、地域に人を呼び込むというモデルなんですね。この”主催者”は、自らが特技を持つ人や団体ではなく、ゲストハウスであっても民泊施設であっても、地域起こし協力隊でも誰でもできるんです。
例えばこのプランでガイドをされる「星賢孝」さんてめちゃくちゃ忙しいので、そうしたプランを企画したり募集、マネジメントしたりするのってできないけれど、代わりに観光客などが拠点とする観光物産協会さんがツアーとして企画したりしてあげると、より地域のことを知ってもらえるんじゃないのかなー? ということで利用して頂いています。
記者S:SHARE BASE Matchingは地域の「コト・モノ」のマッチングということで商品の販売も掲載されていますが、当初は体験プログラムだけだったというコトでしょうか?
橋本:そうなんです、SHARE BASE Matchingを2019年に公開したのですが、公開後数ヶ月で大きな転換期を迎えてしまったんです。「新型コロナウィルスの大流行」ですね。
さすがにこの状況では、僕らも民泊施設としてこの小さな村にお客さんを呼び込んで、村内の人とマッチングして交流を活発にさせるわけにはいかないということで、まずSHARE BASE 昭和村の休業を余儀なくされました。そうなってくると全国の対面型の体験プログラムを掲載しているSHARE BASE Matchingも、なかなかサービス的に運営がキツくなってしまうということで、いろいろ考えました。。。
そもそも近所のおばあちゃんを始めとした地域の方々って、畑で作った野菜をめちゃくちゃくれるんですよ、僕らに。それも食べきれないくらいの量をw これを「おすそ分け」っていう感じで、全国の方にもらってもらうこととかできないかなーと考えたわけです。それがSHARE BASE Matchingならできちゃうんじゃない!? っていう発想から、モノ(商品販売機能)を搭載したという形で2020年にアップデートしました。
そうすることで、地域内でECサイトをやったことがないとか、インターネットに詳しくないとかで販路がweb上になかった商品も、主催者が代わりに生産者の商品を消費者とマッチングして販売のきっかけづくりをしてあげることができるようになったんです。
記者S:一般的なECサイトでは、「購入ボタン」で手軽に買えるのが良い所だと思うのですが、SHARE BASE Matchingでは「購入リクエスト」という見慣れないボタンになっていますよね?
橋本:例えば昭和村の “からむし織” のように、生産に着手してから完成まで長い期間がかかる上、値段もなかなかするので、商流に乗りづらい商品もありますよね。そうした商品を受注生産として受け付けてから生産に着手できるように、SHARE BASE Matchingの物販機能では「購入リクエスト」という形式を取ってるんです。
購入ボタンですぐにモノが届くという一般的なECサイトとは違って、主催者が一度購入のリクエストを受けてワンクッション置く。生産者に確認をして、販売可能であれば売買成立ということで、製造や支払い手続きに進むというプロセスが踏めます。
記者S:生産者の方も、販売できることが確実になってからつくり始めることができるので、安心で効率的に生産活動に専念できるということですね。
橋本:仰るとおりです!在庫があるものはすぐに発送できますけど、ないものについては受注生産という方法が成り立つ仕組みなんです。
・・・とまぁ、前置きがかなり長くなりましたが、ここまでは5年の間に実装できた所です。ここから5周年記念ということで、各運営サイトに革新的なリニューアルがかかったというのが、改めて今回の本題ですね!!w
記者S:・・・・・そうでしたw それでは改めまして、今回5周年記念でリニューアルしたポイントとその狙いについて、深掘りしていきたいと思います!!
【5周年記念連載 社長インタビュー】の第二回はこちらから。
・【5周年記念連載】 第二回 5周年で仕掛けた、各運営サイトの革新的リニューアルの狙いとは?