つくばみらい市にある福岡堰(ふくおかぜき)で、カヌーから眺める桜が圧巻!
花見といえば、桜の木の下にレジャーシートを敷いて、お弁当や飲み物を持ち寄って楽しむいわゆる「お座敷スタイル」を思い浮かべる人が多いのでないでしょうか? もちろん座って楽しむだけではなく桜並木を歩いて見物するのも花見ですが、もう一つ「水面から見る花見」という楽しみ方もあるんです。
目次
1.水面からカヌーで桜を見る。お花見スポット つくばみらい市の「福岡堰」。
3月下旬から4月上旬にかけて、約1.8kmの遊歩道沿いに満開の桜が咲き誇る茨城県つくばみらい市の「福岡堰(ふくおかぜき)」。福岡、とはつくものの場所は茨城県内。関東三大堰のひとつで,茨城観光100選・茨城百景にも選定されています。
側を流れる「小貝川」を堰(せ)き止められてできた堰(せき)で、流れはなく穏やか。 「堰」とは、水流を堰き止めたり調節したりするために、川の途中や湖・池などの水の出口につくる仕切りで、これがあることによって流れのない川ができ上がる。これによって普段流れのある川はいわば “静水” となり、カヌーやカヤックにとっては流れに左右されず自分でコントロールして進んだり停滞したりすることができるんです。
そのため、福岡堰が花見シーズンになれば、県内はもちろん県外からも多くのカヌーイストやカヤッカーが訪れ舟が川面を往来し、満開の桜を見上げます。
2.自前のカヌーを載せ、ピークを終えた福岡堰へ。
そんな噂を聞きつけ、茨城県は水戸市から車を走らせること約1時間。自前のカナディアンカヌーを載せ家族と共に福岡堰へとやってきました! (アウトドア好きが高じて、数年前に中古でカナディアンカヌーを所有して以来、趣味で湖や川でカヌーを嗜んでいる。)
桜まつりをやっている4月初旬のピーク時は早朝7時に到着しても駐車場が満車になっていることも多いらしく、カヌーの出廷場所から遠い駐車場に停めることは避けたいので、ピークの1週間後である4月12日(土)に狙いを定めて出発することに。
湖でも同じことが言えますが、昼過ぎ、夕方になると風が強くなり始めることが多く、カヌーは風に煽られやすくなる。花見で言えば早朝よりもお昼前後の方が暖かく陽気が気持ち良いので、花見客も増え駐車場はより混雑を極めます。これらの要因からカヌーイストの朝は基本的に早い。
到着は少し遅れて朝8時。桜のピークは過ぎ葉がちらほらと見えるような状況ですが、出廷場所になる桜橋付近の駐車場にはカヌーやSUPを積んだ車をはじめ花見客の車で7割程埋まっている様子です。
家族にライフジャケットとパドルを託し出廷場所まで先に行ってもらい、自分は手早く荷解きをして車からカヌーを下ろす。駐車場から出廷場所までは約30m程で、担いでいくにはまぁまぁの距離、ドーリーを持っているならここで使わない手はないでしょう。
3.花筏が美しい福岡堰。
出廷。ベタ凪。朝の若干の肌寒さが気持ち良い。水面に落ちた花びらが、パドルを漕ぐたび桜吹雪のごとく水中に舞う。
子供達に一生懸命に漕いでもらい、後ろに乗った自分は舵を取りながら3回に1回くらいのペースで漕いで行きます。桜の花びらは3分の1程度落ちてはいるものの、風に運ばれた桜の花びらが水面に集まってまとまり、桜の絨毯のようになっています。まるで筏(イカダ)のように見えるというこの光景は「花筏(はないかだ)」と呼ばれているそうです。
桜を眺めながら堰の端まで行くと、3人家族の2隻のカヤックに遭遇。カヤックの上で美味しそうにお団子を食べていました。子供たちが羨ましそうにお団子に気を取られていた様子はまさに花より団子! お腹が空いたので持ってきたお菓子を頬張りつつ、福岡堰全体をカヌーで周遊してきました。
10時頃になると先に来ていたカヌーやカヤックの人たちは撤収しはじめていました。家族をカヌーから下ろした後は、空いた水面で少しだけ1人でパドリングの自主トレ。じんわりと汗をかくぐらい練習した後、下の子を載せてまた桜の近くへ漕ぎ出したりしてこの日は終了です。
桜は散り始めていましたが遊歩道にはお花見客が多く訪れていて、テキ屋も数軒並んでいる様子。もちろん大判焼きや焼きそばなどを食べても良いのですが、このつくば界隈はラーメン激戦区! ラーメンを食べて帰るのもセットと言って良いでしょう。有名店を探して回ろうかと思ったものの、この日は以前この界隈に住んでいた頃の懐かしさに負けて「大勝軒」へ。
4.いつもと違った視点での花見がおもしろい、お花見スポット福岡堰。
お座敷スタイルでゆっくりと花見をするのも良いですが、いつもと違った視点から桜が見られる水上花見もオススメ! でも、この福岡堰に限ってはカヌーやボートの貸し出しはないので、自前のカヌー、カヤック、SUPなど自艇を持っている人の特権ですね。もちろん福岡堰は遊歩道からの桜も圧巻、桜とカヌーがセットになった風景をカメラに収めるカメラマンも多くいます。来年は満開の時期に!
福岡堰(ふくおかぜき)
〈住所〉〒300-2407 茨城県つくばみらい市北山