放っておくと危険? シロアリ被害の框(かまち)を大工さんが本格補修!
築150年以上の古民家「SHARE BASE 昭和村」の大広間への段差が、深刻なシロアリ被害に。DIYレベルではないので、大工さんに依頼して本格的に修繕して頂きました。建築当時の材料が残っていたり、職人の技に感動したり、古民家の面白さを感じた部分でした。えっ!シロアリってこんな風になっちゃうの?! という驚きも感じられると思いますよ〜!
1.放っておくと危険? シロアリ被害の框(かまち)を大工さんが本格補修!
SHARE BASE 昭和村の大広間へ続くこの写真。一見普通に見えるのですが、実は大広間へ上がる階段一つ分くらいの段差(框=”かまち”というらしい)が、シロアリの被害によってボロボロになってきてしまっていたんです。
近寄ってみるとこんな感じに。。。そのままにしておくと他の箇所にも被害が広がってしまい、大規模な修繕に繋がってしまうということで、先手を打って今回は框の修繕を依頼することに。
2.被害箇所を解体して補強しながら修繕へ。
今回の修繕の原因となった箇所は赤枠の箇所。建物の修繕をするときは、ダメになったその箇所だけでなく、その周辺を形成する材料も解体しながら被害箇所を確認する必要があります。築150年以上も経っているこの古民家は、これまでも修繕を繰り返しながらこの地に佇んでいます。幸いにも他の箇所にシロアリ被害は蔓延していなかった様子です。
こちらの写真は、框に干渉する大広間側の床を解体した様子。建物の基礎部分や土間が見え、建物の歴史を感じられる貴重なタイミング。写真からも材料を加工した木の香りと、地面のひんやりとした雰囲気が伝わってくるようです。
およそ2間ほどにもなる大きな桜の木を、框として使うべく大工さんが丁寧に加工していきます。実はこの箇所の修繕を依頼してから材料を探し始め、大工さんがやっとの思いで見つけてくれた桜の木。「加工に非常に緊張した」というのは、後から大工さんに聞いたお話。
3.大工さんのウデの見せ所! 桜の木で見違えるような框に。
そうして加工された框の材料を、古くなった材料と入れ替えていきます。古くなった根太も新調し、フレッシュな木の色合いが見て取れます。材料の加工も、設置も、大工さんのウデの見せ所!
反対側から見るとこんな様子。框周辺の弱っていた部分も修繕してもらった。この上に床板が乗り、畳が乗る。仕上がりがフラットになるよう綿密に計算されています!
材料を設置した後は、畳などを戻して施工完了。蜜蝋などを使ったこれまでの内装にもマッチするような風合いに仕上げてもらい、見違えるような姿に変貌を遂げました! 古い材料と一緒に間仕切りを設置するのに使っていたレールも取り払ったので、腰掛けたりしてもお尻が痛くならないようになりました!
大工さんによれば、床下地も全体的に傷んでいる様子。状態からみて、建築当時のまま残っているのでは? だとすればかなり保っている方だよ、とのお話でした。
他にもこれから修繕が必要になってくる箇所がまだまだ出てくると思いますが、それも古民家と付き合っていく醍醐味。空き家になって潰されてしまう古民家もありますが、こうして人が行き交い活用され、修繕しながら住んでいけば何十年も何百年も持つようにつくられている建築にも、ロマンを感じますね。
大工さんの技にも感動! 今後の活用も楽しみです!