自家製プリンは必ずご賞味あれ!こだわりの詰まる昭和村のカフェ&ギャラリー「里やまカフェ 星のやど」
コーヒーとプリン、そしてギャラリーとしての一面も持つ「里やまカフェ 星のやど」。多くの古民家の解体、移築再生に携わって来た店主の想いが詰まった、通りすがりでは辿り着けない知る人ぞ知るスポットに迫ります。
目次
1.通りすがりでは訪れられない「里やまカフェ 星のやど」
福島県昭和村での滞在を楽しむには、何かと先に情報を収集しておいた方が「得」である。
日本の原風景や山村ならではの気候、そこで昔ながらの生活様式を営む村民、五感に訴えるものは否が応でも日本の田舎に溶け込んでいる実感を与えてくれる。しかし、与えられるだけでなくより積極的に求めようとすることで、より深くこの村を知る事ができる。
『里やまカフェ 星のやど』もそうしなければ出会う事ができない昭和村のスポットの1つである。ここに向かうには、昭和村の主要道路を少し逸れなければ辿り着く事はできない。
昭和村下中津川地区の田んぼの道路沿いに立てられた、一見見落としがちな小さな看板。その脇道から急な坂道を登っていくと、そこに「星のやど」が姿を現す。古民家再生のモデルハウスを兼ねた佇まいは、決して派手にその存在を主張するものではなく、山あいの小さな村に馴染むが自然と足を向けたくなる不思議な引力を持っている。
引き寄せられるように、この村の伝統織物「からむし織」で作られた、軽やかなのれんをくぐる。
2.およそ9坪の空間に店主のこだわりが詰まる。在来木組み工法のカフェ&ギャラリー
のれんをくぐった先には、村の情報誌や朝採れの山菜がカウンターに並ぶ。数こそ多くないが、何となく手に取りたくなるディスプレイである。
古いものを上手に生かしたカウンターやテーブル、椅子が、古民家の内装を品良く彩る。採光の大きく取れた窓によって自然光がふんだんに店内に注ぎ込まれ、レトロな照明に手伝われなくとも十分なだけ明るい感じもする。
骨太で自然な曲がりを保った大きな梁は、この古民家の象徴とも言えるべき存在。店主の要望により、釘を使わない在来の木組み工法で若い大工の手によって建てられたこの建物は、多くの古民家の解体、移築再生に携わって来た店主の想いが詰まっている。
3.こだわりの自家製濃厚プリンは採れたての健康で新鮮な卵から作られる
メニューはスイーツとコーヒーが中心。地元食のじゅうねんぼたもちも人気だそう。この日は残念ながら店主は不在であったが、奥さまがオススメするコーヒープリンセットを注文。
自家製の濃厚プリンは、放し飼いの鶏から取れた健康で新鮮な卵からの手作り。1つ1つガラス製の容器の中に作られる。食べ方は人それぞれだが、一口目に濃厚で滑らかな舌触りのプリンをそのまま味わった後は、是非底のカラメルを絡めて食べて欲しい。甘さ控えめのカラメルがさっぱりとしてしつこさを残さない。
4.昭和村の文化を伝えるギャラリーとしての一面
この日は近隣のアトリエ「絲っぴき」のからむし製品のギャラリー展が行われていた。こういったギャラリーの告知は、ご主人がチラシを手配りで村内に配り回る。口数こそ少ないが、際立ったチラシのデザインとひたむきさがギャラリーに足を運ばせる。
当日は実際にこれらのからむし製品を織った、決して多くはない昭和村の伝統織物を継承した職人が案内をしてくださった。からむし織は軽く通気性がよく、夏場にからむしを使った製品を纏うと、他のものを着られなくなると言われる程に着心地が良いらしい。店内には、昨年昭和村に訪れ、からむし織の着物を纏った日本を代表する女優 綾瀬はるかさんの姿が、星のやどのご夫婦と一緒に写真に納められていた。
福島県昭和村の魅力は、住んでみないとわからない所が多分にある。1度や2度訪れただけでは本質を知る事ができない、小さな村には大きな魅力が隠れている。
是非、昭和村に訪れる前には何かと情報を集めておいて欲しい、もしくは、訪れてから住まう村民に尋ねて欲しい。ひょいと足を伸ばして行ける場所ではないからこそ、この『里やまカフェ 星のやど』のようなスポットを見落として欲しくないのである。
5.アクセス
●里やまカフェ 星のやど
〒968-0103 福島県大沼郡昭和村下中津川上平5254
●日・月・火のみ営業※冬期休業
●AM11:00〜PM15:00迄営業
●収容人数約10名