伝統素材が現代でも大人気!塗り壁の種類や特徴は?
古民家再生のDIYを始めて、初めての漆喰塗り(DIY用漆喰で)を体験しました。古民家といえば漆喰でしょ!という思いつきでの壁塗りでしたが、いざ振り返ってみて塗り壁にはどんな種類があったのか?知らなかった効果やクロス(壁紙)との比較などフォーカスを当ててみたいと思います。
1.塗り壁とは?
塗り壁は、水や土、植物などの天然素材からなる壁のこと。下地づくりから材料を塗り重ね、最後の上塗りに使われたものによって仕上げが変わってきます。従来は竹木舞下地(たけこまいしたじ※竹を格子状にして間仕切りしたもの)などの下地に行われていましたが、現在は石膏ボードや、DIY用のものだとあらゆる下地に塗れるものなどが存在します。
代表的な塗り壁に漆喰が挙げられますが、どんな種類や特徴があるのでしょうか?
2.塗り壁の種類と特徴
①土壁
和室にピッタリと合う土壁。塗られる土の種類がそのまま特徴となるようです。京壁も土壁の一種で、色合いを楽しむこともできます。温度、湿度を一定に保つという機能性もあります。
画像引用:トヨダヤスシ建築設計事務所
②砂壁
土壁よりもなめらかな仕上がりになるのが砂壁。和室だけでなく、洋室に合うタイプもあるようです。使われる砂は粒が均一なものが使われます。機能面では土壁とほぼ同等。
画像引用:リショップナビ
③漆喰壁
塗り壁としてよく知られる漆喰の壁。鏡のようになめらかな仕上がりで、色は白が基本。漆喰は塗り方でパターンやデザインも自分好みにできるというデザイン性がありますね。ニオイの吸着や吸湿性なども優れています。デザイン性があるので、和風な所だけでなく洋風にも使える。
画像引用:漆喰と木の室
④珪藻土壁
珪藻土は藻類の一種にあたる珪藻(けいそう)の殻が化石になって堆積したもの。漆喰が石灰石という石が原料となっているのに対して珪藻土は土が原料になります。よく漆喰と比較されますが、珪藻土は主に室内に使われる事が多く、耐久性は漆喰に比べて劣りますが、調湿性においては漆喰に勝るものがあります。
画像引用:FOTOM
3.DIYでもできる塗り壁
こうした伝統素材を使った塗り壁ですが、現在では初心者でも簡単にできます。現在は空前のDIYブーム、大体のものはホームセンターに行けば材料も道具も揃えられて自分でできてしまうものです。もちろん仕上がりはプロのようにとはいきませんが、練習次第で上手に塗れるようになりますよ。
最近使ったのがこの「うま〜くヌレール」。材料を合わせたりせず、バケツのような容器を開けてそのまま使えるのでDIYで使うなら圧倒的に楽です。一般的にDIY用漆喰や珪藻土は、この面倒な材料を混ぜ合わせる工程を抜いたものが多いですね。しかも仕上がりも良い。左官工法は慣れるまで少しかかりますが、塗りやすい固さに調整できるのでそこもポイントです。
DIYでも、その材料作りから本格的に楽しみたいという方もいらっしゃると思いますが、1から始める材料もホームセンターで揃ってしまうので挑戦してみてください。自分なりの味が出てきっと面白いと思います。(個人的にはなかなかそこまでやる気になれませんが・・・)
4.「塗り壁」と「クロス」どっちが良い?
壁のDIYリフォームをするときに必ずと言ってもいい程、「塗り壁」と「クロス」のどちらがいいのか?こんな疑問にぶつかります。どちらもやってみた感想ですが、それぞれDIYでやる場合のメリットとデメリットがあるので予算や理想のイメージ、工程と照らし合わせると良いと思います。
●塗り壁のメリットとデメリット
・メリット
①手作りの仕上がり感がでる(やってる感も楽しめる)
②風合いが出て古民家の内装との相性が良い
③調湿や防音、防カビ性能が高い
④一度塗ったらクロスに比べて剥がれにくい
・デメリット
①慣れるまで塗るのが少し大変
②重ね塗りするので工期がかかる
③塗りカスが出るのでマスキングや養生が大変
④クロスに比べて材料費がかかる
●クロスのメリットとデメリット
・メリット
①のり付きの壁紙だと貼るのが簡単
②養生と片付けが楽
③種類が豊富で柄を選ぶのが楽しい
④材料費が安く、施工も簡単
・デメリット
①剥がれやすい
②塗り壁に比べると調湿機能や防音性が劣る
③破れたり剥がれた場合は一面を貼り替える必要がある
④気温が低い時の施工はヒビが入りやすい
機能面ではもっとメリットやデメリットがありますが、DIYで壁をリフォームするという点では、施工のしやすさや費用が重要ですね。
5.意外と身近にある塗り壁
普段生活しているとなかなかじっくりと見ない壁ですが、意外と身近に漆喰などの塗り壁が存在します。内装だけでなく外装にも使われていますね。ニオイの吸着など知られざる機能が溢れている塗り壁、天然素材で環境にも優しいという点から、改めて見直されている理由がわかります。やり始めはちょっと腰が重いかもしれませんが、やり始めると楽しいですよ!