アートで地域を繋ぐ。大分県湯布院のアートスポットをめぐる文化観光1泊2日の旅。#DAY1

アートを軸に地域活性化!? 大分県湯布院の文化観光ツアーへ!

大分県といえば、気鋭のプロモーションで「おんせん県」としての認知を広めた地域。中でも鶴見岳を源泉とする別府温泉は歴史も深く、地獄めぐりなどの観光名所を武器に海外誘客の取り組みも早くそして本格的に推移している。

そんなおんせん県として知名度の高い大分県で、今「アート」を軸に地域活性化をに取り組んでいる地域をご存知でしょうか?それが、国内の温泉湧出量NO.2の湯布院(ゆふいん)です。

今回、アートを軸に文化観光に取り組み地域活性化に取り組んでいる大分県は湯布院でアートスポットをめぐるツアーがあると言うことで、webメディア「SHARE BASE Magazine」として参加し取材してきましたので、マガジン読者の皆様にお届けしたいと思います!

1.湯布院の文化観光がおもしろい! 大分県の湯布院ってどんなまち?


日本一のおんせん県として知られる九州は大分県の湯布院」は、活火山である由布岳(ゆふだけ)の荘厳な景色が素晴らしく、同じく大分県の別府温泉に次ぎ全国2位の湧出量を誇る温泉地として有名な観光地です。

湯布院の文化観光がおもしろい! 大分県の湯布院ってどんなまち?
由布院駅からの眺め。雄大な由布岳の麓に広がる観光地だ。

湯布院、または由布院(ゆふいん)とも呼ばれますが、昭和30年に由布院町と湯平町が合併して誕生した地名が湯布院と言うんだとか。観光地という広義的な意味も込めて、ここでは「湯布院」に統一してお届けしていきたいと思います。

湯布院といえば温泉というキーワードが先行しがちですが、実は湯布院は由布岳の麓の広大な土地を生かした農業も盛ん、豊かな田園風景と温泉が楽しめる地域です。

そんなことを教えて頂きながら湯布院をアテンドしてくれたのは、大分県で数多くのアートプロジェクトを手がける「BEPPU PROJECT」の運営メンバーである井出 正大さん。九州をはじめ日本各地のインバウンド需要の成長を志して駆け回り、自らもツアーガイドとして地域の魅力を国内外に伝えています。

大分のアートの始まりはOPAMからスタート!


羽田空港からソラシドエアーの航空機に乗り、大分の空の玄関口、大分空港までは約1時間45分ほどのフライト。空港に着くや到着ロビーに足湯があるなどはさすがおんせん県。空港からは送迎のツアーバスに乗り、まずは最初のアートスポットである大分県大分市にある「大分県立美術館 OPAM」へと向かいます!

OPAMは湯布院のアートをめぐる今回のツアーの玄関口。美術館と聞くと、一見閉鎖的な空間に作品が静かに並べられ、自分の内なる感性と作品との対話を楽しむようなイメージを持ちますが、そんな一般的な美術館のイメージを覆すのがこの「OPAM」。

大分のアートの始まりはOPAMからスタート。

建築家「坂 茂(ばん しげる)」氏によって設計されたOPAMは「街に開かれた美術館」と呼ばれ、中の様子が見えるように建物の外壁はガラス張りとなっているため通りがかった人の目を引き、2階にはカフェテリアがあり地域の食材を使った料理を楽しめます。

大分のアートの始まりはOPAMからスタート。
全高10mのフロアは、地面のタイル下に空調が設置され、全体に行き渡るように設計されている。
大分のアートの始まりはOPAMからスタート。
カフェテリアでは地域の食材をはじめとしたランチメニューが豊富で、美術館を楽しむほかランチ利用やミーティングの利用もある。

今回のタイミングで行われていた展示は、かの有名なむぎ焼酎「いいちこ」のデザインからプロモーションの全てを手がけたアートディレクター「河北秀也」の展示。今どこでも目にする「いいちこ」は、大分県発祥だったんですね!

大分のアートの始まりはOPAMからスタート。

大分のアートの始まりはOPAMからスタート。

いいちこがここまでロングセラー商品になった原点から、一貫した世界観を伝え続けていく様子が紹介された魅力的な展示でした。(「イメージの力 河北秀也のiichiko design」は2023年3月29日まで)

大分のアートの始まりはOPAMからスタート。

ガラス張りの窓は全開放することもでき、空気が入れ替わり人も気軽に行き交うことができる。つまりは観光客から地元民まで幅広い交流拠点となる、OPAMはこれまでの美術館のイメージを一新する印象を持てる美術館でした!!

▶︎大分県立美術館 OPAMの公式HPはこちら。

2.「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」は、湯布院に溶け込む宿泊もできるアートミュージアム。


湯布院に溶け込むcomico museumは、宿泊もできるアートミュージアム。
大分のアートの入り口「OPAM」から湯布院に向かい車で約1時間、次に訪れたのは「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」。アートミュージアムの中に宿泊棟も併設されている、湯布院に溶け込むようにつくられたミュージアムです。

運営しているのはNHK JAPAN。同社が運営している「comico」というWEBコミック、漫画、小説、映画などを提供しているwebプラットフォームが名前の由来になっていて、それらの文化や芸術を共有できるオフラインの場を目指してつくられたそうです。

湯布院に溶け込むcomico museumは、宿泊もできるアートミュージアム。
漫画アプリ「comico」に関する情報やアーティストの作品集なども立ち並ぶ。
湯布院に溶け込むcomico museumは、宿泊もできるアートミュージアム。
屋外展示からは、雄大な由布岳が目の前に。天気の良い日はこのアートミュージアムからこんな景色も拝める。

さまざまな展示が行われるアートミュージアムですが、ボクが一番興味を持ったのはその建築物。ここに訪れた後に少し湯布院の街並みを歩くと、そばには住民が日常的に訪れる小さな公園や家々が立ち並ぶ中にこのミュージアムがあるのですが、不思議と違和感を感じないんです。

聞くところによると、建築を手がけた隈研吾氏は、湯布院の風景に溶け込むような素材を効果的に使うことを大切にされていたんだとか。外壁には黒い「焼き杉」がふんだんに使われていて馴染み良く、湯布院に住む人たちの暮らし、由布岳の雄大な景色、そこに主張すぎないアートミュージアムがバランス良く配置された地域としての表現力を感じました。

湯布院に溶け込むcomico museumは、宿泊もできるアートミュージアム。
外壁に使われている焼き杉。町に馴染む自然な風合いのほか防虫効果も見られる。

ここでは複数のアーティストによる展示が行われていました。今回の展示は、「かぼちゃ」などドットでや網目模様での表現が有名な「草間彌生」、「杉本 博司」、ポップな作品で現代アートを牽引する「村上隆」らの作品を見学することができました。

湯布院に溶け込むcomico museumは、宿泊もできるアートミュージアム。
村上隆氏の作品。一度は見たことのあるフラワーが象徴的。
湯布院に溶け込むcomico museumは、宿泊もできるアートミュージアム。
杉本博司氏のフロアー。歴史と存在の一過性をテーマにした作品が展示された空間。

「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」では1棟貸の宿泊施設もあることも魅力の一つ。アートの空間の中に溶け込める宿泊施設で、良質な温泉とアートにどっぷりと浸かるのも湯布院の楽しみ方の一つ。

▶︎「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」の公式HPはこちら。

3.離れ客室で気兼ねなく休める「一禅」さんで湯布院の極上の湯質を堪能。


離れ客室で気兼ねなく休める「一禅」さんで湯布院の極上の湯質を堪能。
「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」を後にした頃時刻は17時前。湯布院のまちの散策や体験は後日たっぷりあるとのことで、この日のお宿「御宿 一禅(いちぜん)」さんに到着。

一禅は雄大な由布岳の麓にある数寄屋造りの建物が特徴的なお宿。茅葺の門をくぐり敷地内に入ると、本館のほか離れ客室や露天風呂が立ち並び、ひっそりとお篭りも楽しめそう。

離れ客室で気兼ねなく休める「一禅」さんで湯布院の極上の湯質を堪能。
今回案内していただいたのはなんと露天風呂付きの離れ客室!! 露天風呂付きの一戸建て離れには、広めの玄関に4名ほどが利用できる10畳の和室と縁側、そしてトイレ、脱衣場に贅沢な露天風呂。これらが各離れ客室に備わっています。

離れ客室で気兼ねなく休める「一禅」さんで湯布院の極上の湯質を堪能。
客室露天風呂。小ぢんまりとした湯船が各離れに設置されている。

ひとりで泊まるのはちょっと心細い・・・というのは置いといて、、、贅沢に使わせていただきました!

食事は地のものを生かした 会席料理。さまざまな創作料理が並ぶ中、おおいた和牛の陶板焼き、おおいたの名物地鶏「冠地鶏(かんむりじどり)」の琥珀鍋など、地元食材がキラリと光ります!

離れ客室で気兼ねなく休める「一禅」さんで湯布院の極上の湯質を堪能。
地のものを生かした会席料理で大分の味を堪能する。農業も盛んな湯布院ならではの地元野菜もふんだんに使われる。
離れ客室で気兼ねなく休める「一禅」さんで湯布院の極上の湯質を堪能。
冠地鶏の琥珀鍋。透明なスープに地鶏の油と出汁が程よく滲み、〆には蕎麦を入れて頂く。これがまた絶品!!

もちろん地ビールは欠かせませんね! ツアーに同行した方々とおおいたの地ビール「ゆふいん麦酒」でカンパイ!!

離れ客室で気兼ねなく休める「一禅」さんで湯布院の極上の湯質を堪能。
ゆふいん地ビール。サラッとした飲み心地が料理の邪魔をせず、ライトに飲み干せる。

そして、楽しみにしていたおんせん県大分の温泉で1日の疲れを癒します! 入ってみるとお湯が驚くほど柔らかく、とろとろとしたお湯が肌にまとわりつくような感覚! これが大分の温泉かー!! と体全体で感じ、少し長湯をしてしまいそうな温度も心地良い。

離れ客室で気兼ねなく休める「一禅」さんで湯布院の極上の湯質を堪能。
大浴場の露天風呂。トロトロとした湯質が上品に肌を包んでくれる。

湯布院では自宅にも許可があれば温泉を引けてしまうと言いますが、毎日自宅でこんな温泉に入れると思うと心から羨ましい。。。離れ客室の露天風呂ももちろん同じ泉質で、24時間いつでもこのとろけてしまいそうな温泉に浸かることができます。

近隣には温泉宿がいくつかありますが、ひっそりと湯布院のお湯や食事と向き合いたいならオススメしたいお宿。
▶︎御宿 一禅の公式HPはこちら。

こうして文化観光ツアーの初日が終了。2日目も充実のプランが待っているとのことで、楽しみにしつつ贅沢な離れ客室で疲れを癒します。

4.2日目も湯布院のディープなスポットへ!


2日目はもっとディープなスポットへ!
温泉のイメージが強かった大分県。華やかな別府市内とは打って変わって落ち着いた雰囲気と情緒のある湯布院と、趣の異なる温泉地が隣接する興味深い地域です。2日目はさらに文化や歴史に寄り添ったり馬車に乗ったり・・・ディープな湯布院を知ることとなるのですが、それはまた次回の記事でお送りしたいと思います!お楽しみに!

▶︎アートで地域を繋ぐ。大分県湯布院のアートスポットをめぐる文化観光1泊2日の旅。#DAY2

masaki umino
masaki umino
茨城県出身。大学卒業後、企業での営業経験を経て株式会社SATORUの創業メンバーとして参画。2017年に福島県昭和村へ移住後、地域活性化プロジェクト「SHARE BASE Project」で自社サービスの開発・運営・管理や各種ディレクション、webライティングを行っている。