古民家の外壁塗装をDIYで! 松煙と弁柄で初心者でも重厚な「黒」を再現!

古民家の外壁を奥ゆかしい黒に再塗装! 天然塗料で重厚感のある仕上がりに。

古民家施設のSHARE BASE 昭和村では、2018年に施設をオープンする前に最初の外壁塗装を施していました。美しい黒に仕上がった外壁も、数年間の雨風によって色が褪せて木部が剥き出しに。

綺麗な外壁に再生するため、そして今後も長く付き合っていくために、メンテナンスとして再度天然塗料の松煙(しょうえん)と弁柄(べんがら)を使って外壁塗装をDIYで行っていきたいと思います!

1. 古民家の外壁塗装をDIYで! 松煙と弁柄で初心者でも重厚な「黒」を再現!


古民家の外壁塗装をDIYで! 松煙と弁柄で初心者でも重厚な「黒」を再現!
5年前、いろいろと試行錯誤をしながら外壁塗装に使う塗料を探し、古民家らしさと重厚感を求めてたどり着いたのが松煙と弁柄を使った自然塗料。時間と共に雨風によって塗料も薄くなっていき、真っ黒な外壁に仕上がった塗装当初に比べると、茶色い下地が見えてきてしまっていました。

▼当時の外壁塗装の様子はこちらからご覧頂けます。
古民家の外壁塗装への道!#5〜外壁塗装のBefore→After〜

 古民家の外壁塗装をDIYで! 松煙と弁柄で初心者でも重厚な「黒」を再現!
また改めてあの深みのある黒を再現するために、同じ材料を取り寄せて再塗装をしていきます! これだけ大きな古民家なので、材料代もバカにならない!? と思いますが、実はこの天然塗料はそこまで高くなく、水に溶かして使うので経済的にも◎というの良いところ。

松煙が1袋2,500円程度を約3袋ほど、弁柄が1箱1,000程度を2袋ほど使用したので、金額的には1万円ほどと激安。その他にも刷毛などの道具が必要になりますが、意外とリーズナブルに作業が開始できます!

 古民家の外壁塗装をDIYで! 松煙と弁柄で初心者でも重厚な「黒」を再現!!
松煙は樹脂含量の多い松(特に根元の部分)を不完全燃焼させてつくった煤(すす)を集めた炭素黒色含量のことで、和墨の原料としても使われているもの。見ての通り黒い煤で、取り扱っている内に手は自然と真っ黒に。これを希釈して使っていきます。

 古民家の外壁塗装をDIYで! 松煙と弁柄で初心者でも重厚な「黒」を再現!!
こちらは弁柄(ベンガラ)。これは赤色無機顔料で、セメントの着色剤などに昔ながら使われているものです。松煙と同様に自然由来の材料なのでエコ! これを松煙に混ぜて塗料として仕上げるのですが、それによって防腐、母中効果を高めたり、色合いに奥行きを与えたりします。

 古民家の外壁塗装をDIYで! 松煙と弁柄で初心者でも重厚な「黒」を再現!!
実はこの松煙、水だけでは溶けにくいので、まずはアルコール類で溶かしてから水で希釈して濃度を調節するという方法で作ります。この濃度を濃くしたり薄くしたりすることで、好みの黒を作り出すことができるんです!

 古民家の外壁塗装をDIYで! 松煙と弁柄で初心者でも重厚な「黒」を再現!!
松煙に弁柄を加え希釈していくと、シャバシャバとした伸びの良い塗料になる。

2.塗装作業は1日がかり!刷毛を使って丁寧に塗り進めていく。


塗装作業は1日がかり!刷毛を使って丁寧に塗り進めていく。
塗料が好みの感じになったら、塗装には刷毛を使って丁寧に塗り進めていきます! こちらも他の塗装と一緒で、塗りにくいキワの方から塗り、広い面は一気に塗り広げていきます。ローラーを使った方が早いかな?と思いましたが、このシャバシャバ感でローラーだと周りに飛び散ってしまったりこぼれやすそうなため、前回同様に刷毛を使って全体的に塗り進めていきました。

後々気づいたことですが、刷毛の方が木目にそって塗りやすく、細かな部分や色合いの調整もしやすいのでオススメ。

3.Before→Afterは一目瞭然! 重厚感のある「黒」を再現。


約1日がかりで古民家の正面、背面、両側面とメンバー4人で塗っていき作業は完了。前回の塗装に対して上塗りをしていくので、作業時間は前回よりも大幅に短縮できたかと思います!

全体 Before

Before→Afterは一目瞭然! 重厚感のある「黒」を再現。

全体 After

Before→Afterは一目瞭然! 重厚感のある「黒」を再現。

全体的に俯瞰してみて見ると、コントラストがグッと深くなり、古民家全体がキリッと引き締まった感じがします。とは言え自然塗料でマットな質感なので、ギラギラした印象にならず落ち着いた雰囲気が出ていますね。塗りムラもないので蘇ったような印象になります。

正面 Before

Before→Afterは一目瞭然! 重厚感のある「黒」を再現。

正面 After

Before→Afterは一目瞭然! 重厚感のある「黒」を再現。

古民家の正面と背面側は面積が多く高さもあるからなかなかの作業量。途中雨にも降られ作業が止まってしまったりとハプニングがありながらも塗り完了。比べてみてもかなりしまった印象になりました。

右側面 Before

Before→Afterは一目瞭然! 重厚感のある「黒」を再現。

右側面 After

Before→Afterは一目瞭然! 重厚感のある「黒」を再現。

側面は室外機や配管などの作業の妨げになるものが多い箇所。なんといってもこの時期、ハチが巣を作ろうと活発に動いているから緊張感も高まる場所でした。。。チャイロスズメバチが頻繁に往来していたり、蜂の巣が作られていたりと危険と戦いながらの外壁塗装DIYです。

背面 Before

Before→Afterは一目瞭然! 重厚感のある「黒」を再現。

背面 After

Before→Afterは一目瞭然! 重厚感のある「黒」を再現。

古民家背面に関しては、掃き出しの窓が多く塗る範囲も正面に比べると少ない箇所。まだらになってしまっていた外壁が、古風な黒に染まっています。そして古民家背面側の裏庭に、変化があることに気づいた人も多いのではないでしょうか?

実は現在、敷地内も含めて総合的に遊べる空間になるようにSHARE BASE 昭和村は進化中! これまで鬱蒼としていた雑草を取り払い、地面のレベルを取りフラットにした上で、ファイヤーピットを整えてある植物を植えています。何を植え、どんな風になっていくのかは、今後のSHARE BASE Magazineで紹介していきたいと思います!

4.古民家らしい色でDIYを楽しもう!


外壁塗装をDIYでやることによって、また息を吹き返したような装いになった古民家施設 SHARE BASE 昭和村。長く、いつまでも付き合っていけるように、また定期的にメンテナンスをしていきたいですね。

外壁塗装には、さまざまな塗料の種類があって、初心者にはどれを選んでいいかわからないもの。古民家の外壁を塗りたいそんな時、この松煙と弁柄を一つの候補に考えてみてはいかがでしょうか!?環境や人にも優しい上取扱いもしやすい自然の塗料で、古の「黒」を楽しんでみよう!

masaki umino
masaki umino
茨城県出身。大学卒業後、企業での営業経験を経て株式会社SATORUの創業メンバーとして参画。2017年に福島県昭和村へ移住後、地域活性化プロジェクト「SHARE BASE Project」で自社サービスの開発・運営・管理や各種ディレクション、webライティングを行っている。